本日、Tidlos Craftは日本のウォッチコレクター @jardinwatchにインタビューをさせていただき、とても光栄です。彼の時計美学とスイス製腕時計の熱意を一緒に感じましょう。

 

Photo Courtesy of @jardinwatch

 

TC: 本日はこのインタビューをさせていただき、ありがとうございます。これは初めての日本人へのインタビューになります、よろしくお願いします。

@jardinwatch: はい、よろしくお願いします。名前はフランス読みでJardin(@jardin.watch)です。

 

TC:まずは、出身はどちらですか、週末とか暇な時は何をやっているか教えて下さい。

@jardinwatch: 私は田舎から東京に出てきて、今東京で生活しています。東京では銀座という日本で一番洗練されていると感じるエリアでよく遊んでいます。とても良い刺激のある街でお気に入りのエリアです。週末も平日も結構時計の友達と一緒に遊んでいることが多いです。みんなウォッチコレクターです。

 

View of Ginza, Photo Courtesy of @jardinwatch

 

TC: ご職業は何をされていますか?

@jardinwatch: ずっとある専門的な仕事をしていましたが、あるときに体を壊してその仕事を辞め、起業しました。

 

一番最初に自分でビジネスを始めたのは16歳の時で就職の経験はありません。

 

TC: ヨーロッパの人から日本人を見ると、日本人は人々同じような生活を送っているですが、Jardinさんは他の人と全然違って、今は自分の会社をやっている。親にはどう思っていますか?

@jardinwatch: 僕の両親も会社を経営しています、周りの友達もそういう人が多いです。確かに日本人は結構イメージ通りの方がほとんどだと思いますが、僕の周りは両親も含めて、みんなは好きなように人生を送っている人が多いので、環境で自然にこうなったのかもしれません。

 

TC:一つ目に買った時計はどれですか?

@jardinwatch: 18歳の時に買った、Franck Muller の Casablancaです。

 

Photo Courtesy of @jardinwatch

 

Portrait of Franck Muller, Photo Courtesy of franckmuller.com

 

 

一生大事にしたいコレクション

 

TC:18歳の時、この腕時計買ったときの物語をシェアいただければ嬉しいです。

@jardinwatch: 当時は本当に時計というものを何も知らなくて、ただこのデザインを気に入って、自分がおじいちゃんになっても使いたいようなデザインの時計を何か探そうを思って、そんな中、このデザインに一目惚れしたので買いました。

 

またヨーロッパでは、時計を修理して長く使うという文化があると当時聞いたことがあったんです。それが凄くいいなあと思って。実は実家の家業が近い考え方で、使い捨ての安物ではなく、高級品を多く扱っていた。高くて良いものは基本的には修理して長く使い続けることが出来るものです。僕もそういう環境で育ったので、やっぱり修理して物を長く使いたい。最終的に自分が死ぬまで使える物を18歳の時に買いたいと思っていました。

 

また僕の親戚一家が海外にいるので、昔からよく親戚のいるところ含めて海外に遊びに行っていたこともあって、そういった西洋の考え方に少しインスピレーションを受けたというのはあると思います。

 

TC:コレクションの中では、重要な、意義ある時計とかがありますか?

@jardinwatch: まずそれも楽しかったことではありますが、たくさん回り道をしました。Franck MullerのCasablancaを買ってから、たくさんの時計を買いました。その中ではオメガのスピード・マスター、後はJaeger-Lecoultre。そして重要な意義のある時計は僕の中ではパテック・フィリップのヴィンテージです。

 

時計の趣味に深く入ったのはパテック・フィリップのヴィンテージ時計を買ってからです。ヴィンテージのパテック・フィリップを買った時に、時計のことを色々調べることが増えました。それで、興味が強くなって、そこからはもう買うのが止まらなくなった感じです。

 

Photo Courtesy of @jardinwatch

 

TC:特に自分自身が腕時計が好き、腕時計のコレクターになるきっかけはありました?

@jardinwatch: ビンテージのパテック・フィリップの時計がきっかけで、一本の時計が出来上がるまでの、造りこみ、それを知ってしまったことは一番大きいです。世の中には凄い時計がたくさんあるということです。

 

Portrait of Philippe Dufour, Photo Courtesy of FHH Journal

 

 

“また、Philippe Dufour、彼の時計造りへの信念を知ってしまった、そのタイミングがまさにです。

 

作り込みという点ではビンテージのパテック・フィリップも同じだということで行き着いた感はあります。” 

 

 

 

Portrait of Romain Gauthier, Photo Courtesy of romaingauthier.com

 

本当はPhilippe Dufourさんに自分だけの世界唯一の時計を作ってもらいたいという夢があって、、でもそれはものすごく難しいのを理解しているので、今年の誕生日、彼の元で時計作りを学んだ経験のあるローマン・ゴティエさんに自分だけの時計を作ってもらいました。

 

Photo Courtesy of @jardinwatch

 

僕に中では、Philippe Dufourさんの時計が欲しかったけれど、それが叶わないとなると、その次に自分の時計を作ってもらいたい時計師は彼しかいなかった。ローマン・ゴティエさんの時計は僕の中では間違いなく究極です。

 

TC:Jardinさんはコレクションのポリシーとかありますか?

@jardinwatch: 僕はシンプルな時計が好きなので、出来ればあまり複雑じゃないものの方が好みです。もちろん複雑な物も好きですけど、一番はやっぱりシンプルで、美しいものが好きですね。

 

Photo Courtesy of @jardinwatch

 

TC:どこから腕時計の情報や知識を手にいれますか?

@jardinwatch: インターネット、もしくはコレクター仲間です。また日本の雑誌Chronosはよく読みます。

 

TC:一番好きのブランドはありますか?その理由は?

@jardinwatch: パテック フィリップです。作りこみが凄く美しい、妥協がない時計作り。プロフェショナルの仕事、超一流の仕事を感じられるからです。

 

TC:Patek Philippe Nautliusシリーズに対してはどう思いますか?

@jardinwatch: これは異常な状態だと思います。昔は普通に買えた時計だったので、世界中の人が今になって猫も杓子も欲しいって言ってるのが理解できないです。良い時計のはもちろん分かるけど、みんなが必要以上に大金を払っているのは理解できないです。

 

Photo Courtesy of @jardinwatch

 

TC:日本で一番人気の腕時計、皆が買いたいと思うラグジュアリーな腕時計はどれですか?

@jardinwatch: 今は多分ロイヤルオークじゃないかな。今は連日色んな人に、どうやったらロイヤルオークを買えるのを聞かれます。私はいつも、好きな気持ちが伝われば、売ってもらえる可能性があると思う、と答えます。でもほとんどの欲しい人は二次マーケットの値段が高いから欲しいってだけだと思ってます。でもそういう人にはやはり売りたくないってAPも思ってると思います。

 

TC:Jardinさんは持ってる腕時計は売っていますか?

@jardinwatch: コレクションの整理の為に売ったことはありますけど、転売目的で利益のために売ったことはないです。

 

TC:日本はアジアで一番の時計製造国としてはどう思いますか?

@jardinwatch: 良い時計が多いのはもちろん知ってます。例えばSeikoの時計を見てても凄いと思います。ただ、何故か日本人の特に若者は日本ブランドの時計を好む人が少ない気がします。日本人の多くは海外ブランドの方を好んでいるような気がします。

おそらくデザインが理由だと思いますが、今の日本人の服装はヨーロッパやアメリカの影響を受けやすいので、そちらのアクセサリーや時計と一緒につけたいとかそんな感じでしょうか?

 

でもスーツだとSeikoやCITIZENの時計も綺麗で合うと思いますし、ビジネスマンや、年配の方はGrand Seiko等の時計を着けてるのを見るとカッコイイなー!って思います。

 

TC:日本人から見て腕時計自体はどう思いますか?

@jardinwatch: 段々着ける人が少なくなってきていて、多くの人がApple watchを着けてる。機能として、Apple watchだけで大丈夫、わざわざ時計着ける必要がない、という人が多いです。

 

 

スイスでパテック フィリップとの出会い

 

TC:スイスを訪れたとき、何か腕時計に関しての物語がありますか?

@jardinwatch: スイスに行きたかった理由は時計を作っている国を見てみたいという理由です。そこにある長い歴史や伝統を肌で感じてみたかったんです。

僕が時計を買っている理由に伝統を感じられることというものがありますので、それを確かめにいった感じですね。

 

ジュネーヴのパテック フィリップの本店に行った時に店員さんから、何を探しているの?Nautlius?って聞かれました。僕は「違います。僕はこのブランドを凄く好きで、昔の古い時計から最近の時計まで色々と持ってます。今日はこの場所と、ここにある色々なものを見てみたいと思ってお店に来ました」と答えました。

他のお客様は多分欲しい時計を探しに行くところなんでしょうが、僕はそうじゃなかったのに、色んなところ、色んな時計をその店員さんが案内して見せてくれて、帰りにお土産までくれました。中身はピン・バッジとパテックフィリップミュージアムのチケットでした。

 

ただひたすらに好きだという気持ちを伝えたら、時計を一本も買ってないのに、お土産までいただけて嬉しかった。その時に、本当にこのメーカーが好きだなあと改めて思えた。ちなみに担当してくれた店員さんが日本という国が好きだと言ってくれたことと、僕が日本人で良かったですって言ってたのも嬉しく感じました。

 

Salons Patek Philippe, Photo Courtesy of patek.com

 

Salons Patek Philippe, Photo Courtesy of patek.com

 

TC:スイスを訪れたとき、他のブランドのお店を行ってましたか?

@jardinwatch: Audemars PiguetとVacheron Constantinには絶対行こうと思ってましたので真っ先に行って、他にもいくつものブティックやアンティークウォッチのお店を訪ねました。スイスに4日間行ったけど、面白いのはいわゆる観光名所的なところにはほぼ何処も行かず、朝から晩まで、時計屋とか時計関係のところにしか行かなかったことです。

 

TC:カスタムメイドの腕時計について、どう思いますか?

@jardinwatch: 最高です。とにかく、一生死ぬまで使いたいもので、一番納得のいくものを手に入れる手段だと思います。針や文字盤等細かいところまで自分で選べたら楽しいですよね。

 

TC:二次流通市場についてはどう思いますか?

@jardinwatch: 時計は長く使える、リユースできるものだと思うので、自分がいらないものが売れる場所があって、次に買えるところがあるのはすごくいいと思う。でも今のマーケットはそういう目的じゃなくて、単に時計全体の価値が高くなってるから参入してるっていう人が非常に多い、正直にそれは嫌だなぁと思います。

 

TC:Grand Seikoはウォッチスタイルが有名ですが、Grand Seikoのウォッチスタイルはどう思いますか?

@jardinwatch: Grand Seikoの機械は非常に良いものを使っています。僕は若者をもっと意識して作ったらそれはそれでもっと面白いものも出来上がるだろうなぁとは個人的に思いますが、今の完成されたスタイルはそのままであって欲しいとも同時に思います。

 

TC:多くの腕時計から、自分とコネクションが強い時計とかありますか?

@jardinwatch: 正直言うとないですね。本当は成人になった時に父親から時計を貰うっていう経験をしたかったし、それが叶ってたらその時計がそれにあたるかなと思います。だから自分はその経験したことないので、息子が成人になった時には時計をあげたいと思ってます。

 

TC:20歳のになった時、息子もしくは娘に腕時計あげるのは大事なことですか?

@jardinwatch: 時計好きな人の間ではそうだと思うんですけど、別に日本にある特別な文化ではないですよ。

 

TC:コレクターの初心者に対して、アドバイスとかありますか?

@jardinwatch: できるだけ学んで、色んなものをみた方がいいです。僕は最初買った時にフランク ミュラーしか知らなかった。どうせ後からは他のものを知ってまた買うので、とにかく色んなメーカーの時計をみた方がいいし、色んな視点から腕時計の良さを楽しむことが大事です。

 

TC:この時間をいただ、ありがとうございました。

@jardinwatch:  ありがとうございました。